「顕在ニーズ、潜在ニーズってよく聞くけど、正直あんまりわかっていないんだよね」
「顕在ニーズはわかるんだけど、潜在ニーズってどう探せばいいの?」
先にお伝えすると、この記事はWebライター向きです。
ブロガーであれば自分でタイトルやキーワードを決定できますが、Webライターはそうはいきません。
クライアントの要望によって制限される記事は、いただいたキーワードから「顕在・潜在ニーズ」を掘り下げる必要があります。
記事を書く前に知っておくと、方向性に悩まずさらっと文章が書けますよ!
そこで本記事では、読者の顕在・潜在ニーズを掘り下げる方法を紹介していきます。
具体例を出しながら説明するので、導入文やCTAなどにも応用してみてくださいね!
顕在ニーズ・潜在ニーズとは
まずは、言葉の定義から解説します。
- 顕在ニーズとは
-
→誰でも思いつくような「明確化」された要望
- 潜在ニーズとは
-
→悩んでいる読者でさえ、気づいていない「明確化されていない」要望
たとえば「ジムに関する記事を書く」場合、それぞれのニーズは以下となります。
- 顕在ニーズ:ダイエットで痩せて異性にモテたい
- 潜在ニーズ:ストレスを解消したい
ここまで抽出できると「ジムに通う」というアクションにつながる要望が見つかります。
ダイエット=宅トレ(自宅での筋トレなど)と考えている読者にも、ジムに通うという手段を教えてあげられますね。
しかし一歩間違えると、以下のように顕在ニーズを潜在ニーズと間違える可能性も高いです。
- 顕在ニーズ:ダイエットで痩せたい
- 潜在ニーズ:異性にモテたい
これだと、顕在層の読者を拾っただけの状態で記事を書くことになります。いわゆる「浅い記事」になってしまうんですよね。
上記を避けるには、ペルソナを細かく設定して「自分のための記事だ」と考えてもらいましょう。
つまり「ダイエットで痩せたい人」よりも「ダイエットで痩せてモテたい人」にして、潜在ニーズをより深く設定しようということです。
潜在ニーズまで満たせると「読者満足度が高い=読み応えのある記事」になるため、違いを学んでおきましょう。
顕在ニーズ・潜在ニーズを見つけるための方法
前述した例の「ストレスを解消したい」という潜在ニーズは、以下の7つで調査できます。
- ラッコキーワードを使う
- 関連語・候補キーワード検索数予測ツールを使う
- Yahoo!知恵袋/教えて!gooを確認する
- その人になりきって不安を紙に書き出してみる
- Google検索結果のメニュー欄を確認する
- Ubersuggest拡張機能を利用する
- インタビューやアンケート調査を実施する
詳しく解説していきますね。
1.ラッコキーワードを使う
ラッコキーワードの「見出し抽出」を使うと、簡単にSEO記事の上位20サイトが表示されます。
各サイトをタップすると該当記事の見出し(h2,h3)が確認でき、アクセスも可能です。
これらの情報をスプレッドシートなどに書き出して、上位20サイトで使われている単語や見出しを分析しましょう。
また調査をしているうちに、執筆する自分でも新しい発見があります。
実は、その発見が潜在ニーズである可能性も非常に高いです。
そのため、自分の直感も調査対象の隅に入れておくことをおすすめします。
(画面右上の「CSVダウンロード」で、一覧をスプレッドシートに書き出せます)
2.関連語・候補キーワード検索数予測ツールを使う
関連語・候補キーワード検索数予測ツールでは、以下の4つを発見できます。
- 関連語・候補キーワード
- 月間検索予測数
- 1位時の月間検索アクセス予測数
- キーワードの出現場所
記事の種類にもよりますが、表示されているようなキーワードを取りこぼさないようにすると充実した内容になるはずです。
このキーワードのなかで気になる語句を探してみましょう。明らかに、他とは異なるキーワードがありますね。
たとえば「潜在ニーズ 保険」などを見ると「加入を勧めたい営業の方が、お客さまのなかに隠れている潜在ニーズを知りたいのかな……?」と新しい発見になるはず。
この時点で顕在ニーズと潜在ニーズを見つける前に、ペルソナを変更するという新しい選択肢も生まれました。
特に潜在的な要望を探すには、細かなペルソナを検討する必要があります。
こういった方法も用いるのも、顕在/潜在ニーズを探すのには役立つでしょう。
3.Yahoo!知恵袋/教えて!gooを確認する
思考は人それぞれなので、顕在/潜在ニーズの調査には「ユーザーが自由に質問できる場」が非常に役立ちます。
ちなみに、あくまでも私の主観ですが「質問者=顕在ニーズについて聞く/回答者=しれっと潜在ニーズについても触れている」ことが多いです。
またこれらはSNSにもいえるので、TwitterやInstagramなどでもニーズを探してみてくださいね。
4.その人になりきって不安を紙に書き出してみる
もはや、すでにサイトでもツールでもないのですが「その人になりきる」というのも非常に重要です。
検索する方は「自分の悩みを解消する方法を知りたい」というのが前提で、もし回答が得られなければ不安になりますよね。
したがって、その人になりきって以下のような不安を書き出してみるとニーズの発見につながりやすいです。
- ダイエットで痩せなかったらどうなる?
- 危険なダイエット方法は怖いな
- 痩せたら本当にモテるのかな
- 痩せたのにモテなかったらどうしよう
ここまで調査すると、以下のように考えが変わるはず。
痩せたいのではなく”モテたい”のが顕在ニーズなのでは……?
それなら痩せる以外にも、ファッションの勉強方法やモテる趣味を提示(潜在ニーズ)するべきなのでは……?
その人になりきることで見えてくるニーズもあるので、ツールなどに頼らずに探したい方にはおすすめな方法です。
5.Google検索結果のメニュー欄を確認する
Google検索結果のメニュー欄とは、検索窓の直下にある一覧を指します。
ここでは「すべて/画像/ニュース/動画/ショッピング」の順番で表示されていますが、これ実は、検索するキーワードによって入れ替わります。
表示されている順番は、検索したキーワードの「潜在ニーズ」に関連している、もしくは回答として用いられているものが多い順です。
つまり各メニューを確認すると、ニーズを探すときに使える情報や武器が見つかりやすくなります。
たとえば、Web記事なら書籍を紹介すると売れやすいし、潜在ニーズというキーワードには前述した「保険の営業担当」ではなく「就活生」といった別のペルソナがいることも分かります。
これらの情報を整理して、より深く執筆できるようにニーズを探し出すというのも良いでしょう。
6.Ubersuggest拡張機能を利用する
Ubersuggest拡張機能を使用すると、Googleの検索結果表示が以下のように変わります。
「こんな傾向があります」では、以下のようなデータを表示できます。
- 関連(検索したキーワードに幅広く関係するもの)
- 候補(検索したキーワードから提案されたもの)
- 疑問(検索されている疑問キーワード)
- 関係(検索したキーワードを含む、他と関係するもの)
- 比較(検索したキーワードを含む、比較系のもの)
「SEO分析データ」では、以下のようなデータを表示できます。
- トラフィック:推定される月間表示回数と検索順位
- 被リンク:各サイトの参照ドメイン数
顕在/潜在ニーズを探すなら、特に「こんな傾向があります」の各キーワードを確認すると調査しやすいでしょう。
どのようなキーワードで検索されているのか、それぞれの顕在ニーズと潜在ニーズを紙に書き出してみるのもおすすめです。
数多く重複しているものを見つけられれば、そのまま顕在/潜在ニーズとして記事に使用できます。
7.インタビューやアンケート調査を実施する
さいごに、顕在/潜在ニーズを探すなら、インタビューやアンケート調査を実施するのも良いでしょう。
身近な人に依頼するか、SNSなどで協力してもらえそうな方を探すもの1つの方法です。
ほかにも、クラウドソーシングサイトなどで募集すると多くの声を集められます。
インタビューやアンケートの内容は、以下で紹介する「なぜなぜ分析」に伴ったものにすると、簡単に質問リストを作成できます。
潜在ニーズの分析方法
上記のほかにも、方法の1つとして「なぜなぜ分析」を紹介しておきます。
個人的には上記ツールで方向性を決めてから、以下の方法を試すやり方がおすすめです。
- 具体的な顕在ニーズを用意する
- 「なぜ?」と5回問いかける
- 対策を考える
1つずつ解説しますね。
1.具体的な顕在ニーズを用意する
具体的なものを用意するには、一言で完結しないような顕在ニーズを考えるのがベスト。
たとえば、前述した「ダイエットで痩せて異性にモテたい」は具体的といえます。
では、なぜ「ダイエットで痩せたい」から分析を始めてはいけないのでしょうか?
- 5回目の回答が浅くなるから
- 質問の数が多くなるから
- 堂々巡りの回答になりやすいから
初めから具体的な顕在ニーズにしておかないと、上記のようになってしまうからです。
そのため、なるべく「〇〇して△△したい」から分析を始めるようにしましょう。
2.「なぜ?」と5回問いかける
ここからは、5回「なぜ?」と問いかけて顕在ニーズを掘り下げていきます。
注意したいのは、5回目の質問時に「How:どのようにすればいいか」で締めること。
いつも「Why:なぜ」で質問していると、永遠に潜在ニーズには辿り着きません。
今回は、前述した例で分析してみます。
※ただし今回は顕在ニーズを探すために、あえて「ダイエットで痩せたい」から質問を分析します。
ダイエットで痩せたい
↓ なぜダイエットで痩せたい?(Why)
異性にモテたいから
↓ なぜ異性にモテたい?(Why)
人生を充実したものにしたいから
↓ なぜ人生が充実していないと感じる?(Why)
仕事が忙しいから
↓ なぜ仕事だけでは充実していると感じられないの?(Why)
職場の上司から理不尽に怒られるから
↓ どのようにしたら人生が充実する?(How)
ストレスを解消する
このように、単純に考えているだけでは出てこなかった答えが見つかります。
分析結果はメモをしておくと、似たような記事を執筆するときの参考になるので残しておきましょう。
3.対策を考える
読者には、ダイエットしてモテたいという要望以外にも「溜まったストレスを解消したい」という潜在意識が隠れていることが判明しました。
顕在/潜在ニーズが分かったら、つぎに対策(回答)を検討します。
ニーズと回答をセットにして読者の悩みを解決するのがWebライターの仕事なので、まずはこの前提を理解しておきましょう。
対策を考える際には、先ほどの「なぜなぜ分析」を逆さにします。
ストレスを解消したい
↑ なぜ?の回答
職場の上司から理不尽に怒られる
↑ なぜ?の回答
仕事が忙しい
↑ なぜ?の回答
人生を充実したものにしたい
↑ なぜ?の回答
異性にモテたい
↑ なぜ?の回答
ダイエットで痩せたい
逆さにすると回答が分かりやすいので、競合記事にはない強みのある記事を書けるようになります。
さらに詳しく考えるなら、質問が被らないように10回、20回と分析するのもよいでしょう。
顕在/潜在ニーズが分かりやすいブログは「manablog」
マナブさんのブログでは、先にどのような方へ向けた記事なのかが書いてあります。
ここで注目してほしいのは、導入冒頭を読者目線で書いている点。
Googleなどで検索をかけて記事にたどり着いた方は、すでに内容に興味がある状態です。
そこで悩みを問いかけるような表現(読者目線)になっていると、自分のために書かれた記事だと認識してくれます。
導入文で「自分ごとと認識する」だけでも、読み進めたいという気持ちを呼び起こせるので試してみてください。
まとめ:顕在・潜在ニーズは導入文やCTAへの反映がおすすめ
本記事では、顕在・潜在ニーズの掘り下げ方を解説しました。最後に導入文とCTAの反映方法をまとめるので、記事のリライト時には参考にしてみてください。
導入文への反映
本記事の冒頭も、2つの疑問を投げかけています。これには以下の意図があります。
- 1つ目の疑問:顕在ニーズを書く
-
→同じことで悩んでいる読者を「広く浅く」獲得
- 2つ目の疑問:潜在ニーズを書く
-
→獲得した読者のなかで「これを読まないと損するな…」と考えるユーザーを洗い出せる
記事によっては、冒頭を会話形式で始めているものもあります。これは顕在/潜在ニーズをより理解しやすくするためです。
会話形式ならストーリー調で疑問を伝えられるため、採用する執筆者も多いです。
うまくストーリーを作ることができれば「いつの間にか導入文を読み終わっていた…」となり、読者は違和感なく本文へ進んでくれるでしょう。
CTAのアレンジ
読者への行動喚起を指す言葉。記事内では、商材ページへ誘導するためのボタンなどをCTAと呼びます。
CTAでも「顕在/潜在ニーズ」を応用できます。
- CTA直前の見出しを確認する
- 顕在ニーズ・潜在ニーズどちらなのか考える
- 該当したほうのニーズに合わせて文言を変える
CTA直前の見出しが「顕在ニーズ・潜在ニーズどちらなのか」を考えれば、読者を後押しする言葉は簡単に見つかります。
たとえば冒頭で紹介したものでいうと、見出しのどこにCTAを設置するかで、後押しの文言は変わりますよね。
h2:ダイエットのメリットとは
h3:身体が軽くなる
h3:異性にモテる
h3:ストレスを解消できる
- ダイエットで痩せて異性にモテたい(顕在ニーズ)
-
- 見た目も心もスリムへ
- モテる自分に変身!
- 自信あふれる新しい自分へ
- 魅力UPで恋も充実
- 憧れのボディを手に入れろ
- ストレスを解消したい(潜在ニーズ)
-
- ストレス解消で心軽やかに!
- リラックスして人生楽しもう
- 心身ともにに健康へと導く
- ストレス知らずの毎日へ
- ハッピーな自分に出会おう
文言をアレンジできるようになると、自身のブログを立ち上げたときに購入されやすい言葉が分かるようになります。ぜひ本記事を参考にして、レベルの高いリサーチを行なってみてください。